パレート図の作成 -Excel-

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課題解決などでデータを可視化して資料を作成するときに活躍するパレート図を作成してみます。

パレート図とは

QC(Quality Control)七つ道具の中の一つにもあがり、品質管理や在庫管理など定量的な現象分析に活用される、ソートされた棒グラフとその累積構成比の棒グラフを併せた複合グラフです。

作成してみる

必要なデータ

分析するにはデータがないとはじまりませんので分析対象のデータを準備します。

今回は擬似的に業務改善の一環として課題の抽出を行います。いろいろな課題の項目がありますが改善することでコストの削減や品質向上の恩恵に預かれる項目を選定します。値が少ない群は「その他」等とまとめると見やすくなります。

構成比累積構成比
い課題80030%30%
ろ課題76029%59%
は課題36014%72%
に課題28011%83%
ほ課題2208%91%
へ課題1506%97%
その他803%100%
擬似課題

構成比

構成比は下記で算出できます。

構成比 = 「構成比を出したい値」 ÷ 「全体の値」

ExcelではSUM関数活用すれば簡単です。

構成比 = 対象セル ÷ SUM(い課題:その他値)

累積構成比

累積構成比は単純に構成比を足していきます。

グラフ作成

あとはリボンメニューの「挿入」を開き、「おすすめグラフ」から「パレート図」を選択します。

パレート図が追加されました。あとはグラフをちょこちょこ体裁整えれば完了です。

上図のグラフより、「い課題」「ろ課題」が重点的に対処すべき課題であることがわかります。
もちろんこれで終わりでなくて重点的に対処すべき課題の細分化を進めます。値がコストであった場合に調達先を再検討したり、素材の見直しを検討したり全体のコストダウンに寄与できる大きな箇所から手がつけられるようになります。

活用方法

ABC分析

ABC分析はマーケティングなどでも利用され、メジャーな分析手法のひとつです。
多くの課題からABCとランク分けを行い重点的に取り組みべき課題を選出するのに役に立ちます。

小売であればAランクの商材の宣伝費を増やしたり、ECであればCランクにあたるロングテール商材に目を向け対策を講じたり様々な場面で活躍するでしょう。

対象となるデータを変え、複数で比較しながら改善を図っていくことができます。

ランク分け

前述のデータを元にグラフを加工します。ランクを分けを算出する場合累積構成比を参考にします。

算出基準は一般的には70%以下は「A」90%以上は「C」、それ以外は「B」とされることが多いです。

パレートの法則

イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートによって提唱されたもので80:20の法則として知られるそうです。全体の数値の大部分は上位2割の数値が占めるというもので、今回の例とも当てはまりそうです。

小売の現場においても局所的ではありますが、確かに2割程度の上顧客がその店舗の売上の大半を占めていることがありました。ことECにしてみるとロングテールの部分もかなり大きいので一概に当てはまらないのかもしれませんが多くの現場で当てはまることの多い法則として覚えておいて損はないように思います。

まとめ

パレート図はあまり使用したことがなかったのですが、使い方を知れば提案時などに説得力のある資料作成が可能になるなと思いました。データを弄っている立場からすると「データで算出してるんだから見ればわかるじゃん」グラフに頼らなくてもと考えがちですが、提案される側はデータを弄っておらずその場でパッと頭に入りづらい場面が多いです。そんな時にグラフは有用だなぁと改めて実感をします。

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