TrueNAS「HDD容量拡張」

TrueNAS-ready-eyecatch TrueNAS
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本回は構築後のHDD容量の変更はできるのかをやってみたいと思います。
TrueNAS-13.0-U3.1

はじめに

今構築しているものはHDD2台でミラーリング構成をとっています。TrueNASではRAIDレベルの変更は出来ないようです、今あるRAIDセットに対してストライピングで同じセットを追加していくという方法が推奨されています。
HDD入れ替えによる方法(RAID1増量)と、ストライピングを追加する方法(RAID10へ増量)があるということのようです。

方法毎の違い

RAID1増量

HDDを大容量のものへ交換していく。下図のイメージです、絵にすると容量効率が悪いのが際立ちますが大幅な容量増加が見込めます。

RAID10へ増量

同じミラーを作ってそれをストライピングで繋げる方法です。これは既存のミラーリング構成のHDDと同じ容量でもう1セット追加するのですがRAID10になるということですね。得られるメリットとしてはストライピングによって速度が若干上がるくらいでしょうか。セットが増えればより享受できるかもしれませんがネットワークをマルチギガにアップグレードしないとあまり速度的なアドバンテージは得られないかもしれません。

手順としてはふたつめのRAID10へのアップグレードのほうが少なくすみますが、HDDの台数が増えれば電力もスペースも増えます。ここは各々環境によって選択すれば良いかなと思います。

増量作業

RAID1増量試験

電源を落として新たに2台HDDを増設し、電源を再投入します。
手順は故障時と同じで片側ずつ切り替えていきます。

ストレージ[Storage]/ディスク[Disks]を確認すると2台のHDDが追加されているのが確認できます。

ストレージ[Storage]/Poolsへ移動して、ギアマークより「Status」を選択します。最初のHDDを「Offline」にします。

続いてそのHDDを「Replace」をクリックし、表示されたダイアログボックスで「Member Disk」で「ada0」を選択し「Force」にチェックを入れ「Replace Disk」をクリックします。自動でRESILVERが走るので完了まで待ちます。

同じ作業を「ada3」でも行います。RESILVERが完了したらPool一覧を見てみましょう。
容量も増加しておりこれで作業は終わりです。

試しに10GB程度のファイル群を転送してみます。特に差異はないように思います。メモリの使用量が多いのは他の作業もしてしまったのもあるので、おそらくパターン2と同程度だと思います。

RAID10増量試験

電源を落として新たに2台HDDを増設し、電源を再投入します。

ストレージ[Storage]/ディスク[Disks]を確認すると2台のHDDが追加されているのが確認できます。

ストレージ[Storage]/Poolsへ移動して、ギアマークより「Add Vdevs」を選択します。
「Pool Manager」画面へ移動するので左側「利用可能なディスク」から「Data VDevs」へHDD移動します。上部の「Name」が「tank」となっており既存のPoolを示しています、また自動で「Data VDevs」下部の構成が「Mirror」が選択されています。
これで問題ないので「Add VDEVS」をクリック。

確認画面が表示され、追加するHDDがは消去され既存のプールのデータは消えませんという確認画面が表示されるので「確認」にチェックをして「Add VDEVS」をクリックします。
Pool一覧画面へ戻されると容量が増えていることがわかります。

どのようになったのかギアマークから「Pool status」を開いて確認します。
「/mnt/tank」プールの中に「MIRROR」が2つ存在しています、うまくいったようです。

パターン1と同じファイル転送してみます。速度の落ち込みも少なく安定して速度が出ているようです。

最後に

HDDの容量を増やす方法を試して見ましたが、思っていた通り簡単に容量アップが可能でした。
持ってるデータ量にも応じてRESILVERは時間がかかるとは思いますが全てGUIで完結するのは便利です。

スペースが許されるのであればフルタワーケースでミラーx3セットとかで運用しても良さそうです。
ただ台数が増えれば電力も増えますし容量を過度に増やしてもバックアップを考えると小規模用途の場合はあまり望まれないかもしれません。
省電力化で言えば2.5インチのHDDやSSD等で組めば更にスペースも電力も抑えられます。データ容量が満足できるのであればこちらの選択もありだと思います。

ミラー構成からRAID10に切り替える場合はタイミングにもよりますが、特性を考慮して交換したほうが良いですね。
ストライピングする場合は片側がダメになると崩壊しますので、古いHDD2台のミラー構成へ新HDDミラーを追加した場合片側が古いディスクミラー、片側が新HDDのミラーのストライピング構成となります。
そうすると古い方のミラーが故障する可能性が高くなるので古いミラー構成の1台をリプレイスで新HDDにしてからRAID10へ切り替えを行うと新旧HDDミラーと新旧HDDミラーのストライピング構成となり気持ち的に安心です。いずれは旧HDDを入れ替えていく方が更に安心ですね。

追記

WD Blue HDDにCMR記録方式の ・4TBモデル(WD40EZAX) ・6TBモデル(WD60EZAX)が追加されました。これで少ない容量から安価に始められるのも良いですね。

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